<お勧め読書030:てのひらのメモ>

  • 2015.05.20 Wednesday
  • 12:03

裁判員裁判のお話。

もし、あなたが裁判員に当選したら?

たぶんおそらくきっと絶対絶命、

こんな葛藤を経験するに違いない。

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『てのひらのメモ』  (文春文庫 夏樹静子)

テーマは裁判員裁判である。

小説でありながら、まるで裁判ドキュメント風にお話は進行する。

小児ぜんそくの息子を死なせてしまったキャリアウーマン。

有罪か無罪か? はたまた量刑は? 執行猶予はつくのか?

6名の裁判員と3名の裁判官の葛藤が綴られる。

さながら「静かなリーガルサスペンス」である。

声高に語らない夏樹静子の文体が秀逸。


<shiozyのお勧め度☆☆☆☆>
虚仮威しでない静かな文体がいいね。

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<お勧め読書029:向田邦子全集5>

  • 2015.05.19 Tuesday
  • 11:43

私が私淑する作家、それは向田邦子だ。

単に読むのが好き、というだけでなく、

丸ごと書写して、文章表現のお手本とするのだ。

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『向田邦子全集5』  (文藝春秋 向田邦子)

アマゾンから本が届かないいわゆる読書谷間の日。

そんな時決まって読むのが「向田邦子全集」である。

向田の代表的エッセーとも言える「父の詫び状」収載であるが、

私が一番好きなのは「魚の目は泪」である。

メザシの目に始まって、

猫や猿など様々な動物のエピソードが次々と繰り出される。

それは一見脈絡がないというアトランダムさなのだが、

最後のオチで「もののあわれ」というキーワードが出て、

一気に納得できるのだ。

こういう文章を書きたいな、と思ってしまう。


<shiozyのお勧め度☆☆☆☆☆>
そういえば、ブログ初期に「向田遊び」なるものを書いていたなあ。
例えば、こんな文章。<向田遊び:九九の段>

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<お勧め読書028:経眼窩式>

  • 2015.05.15 Friday
  • 12:07

タイトルの奇妙さに惹かれて読んだのだが、

これは「当たり」だった。

地方の文学賞にも、キラリと光る原石有り、という証左だろう。

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『経眼窩式』  (原書房 植田文博)

福山ミステリー文学新人賞作品。

「ケイガンカシキ」なんとも奇妙なタイトルである。

読み進めるうちに、背中がザワザワするような怖さが湧いてくる。

いや、怖さというより

ひぃーーと悲鳴をあげたくなるような「痛さ」だ。

まぶたと眼球の隙間に長いアイスピックを突き刺して

頭蓋骨の隙間から前頭葉をぐじゃぐじゃに壊す。

まるでプリンをかき回すように。

その結果ひとはどうなるか?

ふふふ、この本を読みたまえ。


<shiozyのお勧め度☆☆☆☆>
福山ミステリー文学賞はなかなかどうして水準が高いね。
要チェックな文学賞である。

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<お勧め読書027:ランチのアッコちゃん>

  • 2015.05.13 Wednesday
  • 12:36

気風のいいアッコちゃん。

歯切れのいいアッコちゃん。

それでいて、どこか優しい。

そんな仕事師の姿が美しい。

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『ランチのアッコちゃん』  (双葉社 柚木麻子)

初・柚木麻子である。

題名からは「食堂かたつむり」のような

「食」にまつわる小説を想像していたが、

テーマは「女子の生きる姿勢」である。

アッコさんのみならず、

登場する女子がカッコよく可愛らしい。

4つの短編のなかで表題作が出色であるが、

私的には、第4話の「ゆとりのビアガーデン」が興味深い。

仕事人間の現役時代とリタイヤ後のゆとりの対比が、

登場人物とダブって見えるからだ。


<shiozyのお勧め度☆☆☆☆>

続編「3時のアッコちゃん」もお勧め。

「人の話を聞かないし、威圧的だし、自分勝手だし、怖いし、
おせっかいなくせに秘密主義でぜんぜん心を開いてくれないし・・・
でも、面白かったんですよね。彼女と働くのは」
そんなアコちゃんは、本書でも健在である。
だんだん「正義の味方」に近づきつつあるのである。

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<お勧め読書026:みをつくし料理帖>

  • 2015.05.12 Tuesday
  • 12:05

料理と人情。

これを語らせたら、高田侑が当代一である。

「枝豆ご飯、里芋の衣被ぎ、鰯の辛煮、熱い茸汁」

これが無性に食べたくなって、似たようなものを

作ってしまったshiozyである。

和食の妙味と同じ質量で「おいしい」

高田郁「みをつくし料理帖」シリーズである。

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『みをつくし料理帖シリーズ』 (ハルキ文庫 高田侑)

『銀二貫』に惚れて、

「みをつくし料理帖」シリーズ第一弾「八朔の雪」を読んだら、

またまた惚れてしまった。

「花散らしの雨」「想い雲」「今朝の春」と一気読みである。

もうこうなったらシリーズ全巻読破あるのみ。

毎回出てくる料理が素晴らしい。

巻末にはレシピが付いてたりして、

絶対食べたくなる、作りたくなること請け合いである。


<shiozyのお勧め度☆☆☆☆☆>
ということで、結局
「みをつくし料理帖」シリーズ全10巻読破してしまうのである。
作者の術中にはまってしまうのは悔しいが、
やはりいいものはいいのでる。

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<お勧め読書025:銀二貫>

  • 2015.05.11 Monday
  • 13:20

初めての高田侑作品で、ハマってしまった最初の作品である。

以降、高田侑にズルズルとのめり込んで行ったのだ。

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『銀二貫』  (幻冬舎 高田侑)

大阪読書人お勧めの一冊らしい。

さぞかしベタでお涙頂戴式の時代小説だろうな、

と邪推しながら読んでみた。

なるほどベタではある。

災難不幸が予定調和のように幸せへと収斂していく。

わかってはいても、涙が出てくるのはなぜだ。

あっ、わしがベタなのだ、と気づかされた一冊だ。

大阪商人の「信用」に賭ける「銀二貫」を見た。


<shiozyのお勧め度☆☆☆☆☆>
「銀二貫」をきっかけにのめり込んだ高田侑作品は、
「みをつくし料理帳」シリーズ全10巻である。

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<お勧め読書024:ジェノサイド>

  • 2015.05.09 Saturday
  • 12:03

初めての高野和明作品で、衝撃を受けた本である。

これを読めば、高野和明を追っかけたくなるに違いない。

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『ジェノサイド』上下  (角川文庫 高野和明)

久々に骨太のエンターテイメントに出会った。

人類の進化形としての「超人類」が世界を支配する。

それはまるで「神」の出現のようだ。

本を読む楽しみとは、こういうことを言うのだろう。

下巻が楽しみである。

で、下巻である。

夜、布団に入って下巻を読み始めたら、

次の展開が気になってきになって、眠れなくなった。

一晩で400頁完読である。

おかげで今日は寝不足のshiozyである。

とにかくスケールがでかい。

なんせ、アメリカとアフリカと日本を股にかけての展開だからね。

理系の知識も半端ない。

将来起こるかもしれないというリアリティがある。

高野和明作品を追っかけてみたくなった。


<shiozyのお勧め度☆☆☆☆☆>
長編デビュー作「十三階段」。
ワクワク感満載の「グレイヴディッガー」もお勧め。

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<お勧め読書023:マスカレードホテル>

  • 2015.05.08 Friday
  • 15:53

ハズレがないといえば、東野 圭吾だろう。

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『マスカレードホテル』   (集英社 東野 圭吾)

殺人事件を解明するミステリーな話というより、

様々な人々が行き交うホテルという名の「人間交差点」での

愛憎からまる人間ドラマの書である。

「マスカレード」とは仮面舞踏会の謂いだからである。

とはいえ、最後の謎解きどんでん返しはさすがにうまい。

この「マスカレードホテル」の前史編「マスカレードイブ」と

合わせ読むとさらに深まるだろう。

編集者「ホテルとイブ、同時発売といきましょう。

ミリオンセラー間違いなしです」

東野「いや、ホテルを先行させて話題を盛り上げた後にイブをいきましょう」

編「えっ、それじゃあイブのパンチが弱くなりませんか?」

東野「二匹目のどじょうは存在します」

編「先生強気ですねえ」

と言った会話があったかどうかはしらねども、

二匹目のどじょうはやや小ぶり。

こちらはイマイチ感ありだな。


<shiozyのお勧め度☆☆☆☆>

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<お勧め読書022:幕が上がる>

  • 2015.05.07 Thursday
  • 11:52

ゴールデンウィーク、どこにも出かけなかったshioyである。

ひたすら読書の毎日だった。

GWが明けて、ブログも再開である。

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『幕が上がる』  (講談社文庫 平田オリザ)

単行本に続いての文庫化再読。

何度読んでも平田オリザは素晴らしい。

舞台は高校演劇部ではあるものの、

ここに語られているのは「表現する」ということのように思われる。

演劇ファンはもちろんだが、文章表現にも応用できる内容だ。

そういえば、単行本のときのレビューも同じような感想を書いた記憶がある。

何度読んでも同じ感想。

進歩がないのかオレ。

いえいえ、何度読んでも同じ感動をくれる平田オリザである。


<shiozyのお勧め度☆☆☆☆☆>
平田オリザには、演劇論の本がたくさんある。
「演劇入門」「演技と演出」(共に講談社現代新書)。
こちらも合わせて読んでほしい。

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<お勧め読書021:書店ガール>

  • 2015.05.01 Friday
  • 15:13

書店を舞台にした女子のお話である。

本好きファンにお勧めの一冊。

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『書店ガール』  (PHP研究所 碧野 圭)

これって、会社のお局さんと若手女子社員のよくある諍い物語じゃん。

とツッコミを入れながら読んだ。

途中で読むのをやめようかと思ったが、

後半になってやっと書店らしいストーリーに突入した。

ふー待ちくたびれたぜぃ。少し辛抱のいる本である。

余談だが、前日読んだばかりの「算法少女」が出てきたり、

20代のころハマッていた作家で

いまはもう誰も名前を憶えていないだろう倉橋由美子

なんかが出てきたりして、こちらはプチ感動したのだった。

(そっちかよ)


<shiozyのお勧め度☆☆☆☆>
『書店ガール』は1〜3まである。
ぜひ続けて読んで欲しい。

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