<口のないイワサキさん>

  • 2010.10.21 Thursday
  • 08:57


桐矢連載第14話。

 

今日明日は周南市へ連続出張である。

 

こういうときに限って、ネタが豊富である。

 

本来なら、ここには桐矢連載の前説を書くべきなのだが、

 

今日は緊急避難的に<告知>である。

 

社会派映画ファンの方に、チケットプレゼントである。


↓↓こんな映画ね。

【画像:457865.jpg】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆映画「クロッシング」上映会
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

10月29日(金)14:00〜 16:15〜 18:30〜
広島市西区民文化センター スタジオ(横川駅すぐ)
前売り1000円 当日1300円
主催/映画「クロッシング」を見る会

 

北朝鮮脱北者の実情を緻密な取材にもとづき細部までリアルに描写。
韓国では二〇〇八年に公開され数々の賞に輝いた話題作だが、
日本では上映されず「幻の映画」となっていた。
関係者が正式契約し、一年以上かかって今年の春、日本公開が実現。

http://www.crossing-movie.jp/ ←予告編が流れます。

 

「火山高」「彼岸島」のキム・テギュン監督が、脱北者の過酷な現実を描く社会派ドラマ。
北朝鮮の炭鉱町に住む元サッカー選手のヨンスは、妻ヨンハと11歳の息子ジュニとともに、
貧しいながらも幸せな日々を送っていた。
しかし、ヨンハが肺結核に倒れ、ヨンスは治療薬を手に入れるため中国へ向かう。
決死の覚悟で国境を越えたヨンスは、必死に働いて薬を手に入れようとするが、
北朝鮮では夫の帰りを待ちながらヨンスが静かに息を引き取る。
孤児となってしまったジュニは、父との再会を信じて国境を目指すが……。

 

鑑賞後、テレビから流れる北朝鮮の見方が変わるはず。
つまり僕らの「現実」を揺るがす傑作  松江哲明(ドキュメンタリー監督)

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10月29日(金)は定期便@周南市勤務なので、

 

私は観に行けないのである。

 

なので代わりに見に行ってほしいのである。

 

社会派映画好きの方、

 

北朝鮮の実態に興味がある方、

 

思い切り泣いてみたい方、

 

そんな方々にプレゼントしたいのである。

 

ご希望の方はShiozyの下記メールへ。 <先着5名様>
(チケット希望と書いてください)

 

shiozy@3kan.net

 

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「口のない友達」14  口のないイワサキさん   桐矢 絹子

 


あたしはイワサキさんがうらやましい。

 

そりゃあ最初はびっくりした。

 

でも、彼女をみて驚かない人はきっといない。

 

その部分はかわいそうというか、大変だろうなって思う。

 

高校で一緒のクラスになった。

 

入学式では、彼女に気づいてまじまじと見たり、

 

びっくりして声を上げた人がほとんどだった。

 

だけど彼女は平静を保っていた。

 

きっとそうされることに慣れているんだ。

 

クラスに入ったあともそうだった。

 

いろんな人が遠巻きに彼女をみてたけど、話しかける人はだれもいなかった。

 

どう接していいかわからなかったのもある。

 

でもなにより、

 

イワサキさんにはあたしたちがまったく見えていないようにみえたから。

 

ひとりだけ、違うところにいるような、話かけたら怒られてしまいそうな、

 

そんな気がした。

 


「あのヒトってどうやって生きてるの?」

 

高校に入ってから仲良くなった、同じグループのタエが言った。

 

あたしはこのクラスで5人の女の子とつるんでいる。

 

派手な子が2人にフツウな子があたしを含めて3人。

 

だいたい休憩中は5人でいる。

 

中心にいるのはタエと、カオリだった。

 

タエはいつも明るくて物怖じしない。

 

一緒にいるにはいいけど、敵にまわしたくはないタイプだ。

 


「光合成してますか?とかぁー?」

 

タエとカオリがイワサキさんのことを楽しそうに話している。

 

たまたま目に入ったから言ってみただけなんだろうけど、

 

そんなことわざわざ聞こえるように言わなきゃいいのに。

 

「ちょっとぉ聞こえるよー」

 

あたしは冗談っぽくそういうのが精一杯だった。

 

あたしはそんなこと思ってないよ。

 

イワサキさんに今の会話、聞こえてないといいな。

 


イワサキさんはとても細かった。

 

そして透き通るような白い肌をしていた。

 

ご飯はどうやって食べるんだろう。

 

トイレには行くのかな。いろいろ気になった。

 

でも、そんなことを聞く勇気はなかった。

 

最初はみんな興味津々だったけど、

 

そのうちクラスに口のない女の子がいることに慣れてしまった。

 

イワサキさんも、あたしたちのことなんてどうでも良かったんだと思う。

 

自分から関わろうなんていっさいせずに、いつも問題集ばかり解いていた。

 

将来の夢とか希望とかそんなのまだ全然わからなくて毎日ただ学校に通い、

 

暇つぶしにどうでもいい話をして笑っているあたしのことなんて、

 

きっとバカにしてるんだろうなって、なんとなくそう思った。

 


「あんた最近また太ったんじゃない?」

 

タエがあたしをじろじろみながらそういった。

 

「あー、そうかも。最近ちょっと食欲旺盛でさ」

 

あたしはタエと合わない。だけどひとりになるのはイヤ。

 

タエに嫌われるのも怖い。

 

そのストレスでばくばくと食べてしまう。

 

頬にまばらにできたニキビも気になって、ついついさわってしまって悪化していた。

 

「友達だから言ってあげるけど、そのまま食べ続けたらヤバいんじゃない?」

 

「あーやっぱりそう思う?でも、ガマンするとますます食べたくなっちゃってぇ」

 

「少しは気にしたほうがいいよ」

 

タエの言葉はいつもストレートに心臓に突き刺さる。

 


イワサキさんには口がない。

 

それは、不幸だなって思う。

 

だけど口が無ければわざわざ話しをしようとしなくていいし、

 

愛想笑いもしなくていい。

 

イワサキさんと友達になりたいな。

 

でも、あたしみたいなデブでなんのとりえもない人間になんか関わりたくないよね。

 

あーあ、イワサキさんがうらやましいなぁ。    <続く>


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コメント
 映画好きです。この映画気になります。
でもひとりでは・・・、だから2枚欲しいとことです。

ところで、我が家は今晩、まったけ(松茸とも言う)を3本頂く予定です。
さて、料理人はるく、どう料理するかな。

茶碗蒸しは外せないなあ・・・。

それとも3日ほど、眺めていようかな。
はるくさん。こんばんは。映画好きならぜひお越しくださいな。2枚でも4枚でもプレゼントいたしますよ。皆さんお誘いあわせでぜひ。それよりもまったけ希望しますぅ。(笑)
  • shiozy
  • 2010/10/22 7:16 PM
私も学校時代は
誰れかと一緒でないと落ち着かなかった

休憩時間にトイレに行くのも誰かと一緒
お弁当の時間も…
そんな時代もありました
なつかしいなぁ〜

今では一人でも全然かまわないんだけどね
強くなったのか?あつかましくなったのか?

  • のりたま
  • 2010/10/24 12:49 PM
のりたまさん。おはようございます。中学時代は誰しも同じ、誰かとツルんでないと不安なものでした。「ひとと同じ」が行動基準でしたね。しかし、大人になるにつれ、「ひとと同じことは絶対にしない」に変わりました。これをひとは「頑固になった」と言います。(笑)
  • shiozy
  • 2010/10/25 10:12 AM
はるく様、のりたま様

感想ありがとうございます!
つるむ=人が集団でいることで起こる自然現象なのだと思います。
  • 弟子3@桐矢
  • 2010/10/26 11:10 PM
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