<それぞれのブルーあるいはグレイ>

  • 2010.11.01 Monday
  • 11:52


土曜日はフードフェスティバル。

 

日曜日は団地芋ほり大会。

 

↓↓これね。

【画像:461957.jpg】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


キャッチボール仲間のボクが持っているイモは、はるめさんよりのもらい物。
我が団地のイモはこの五分の一でしたあああ。

 


食欲の秋を満喫したあとは、

 

読書の秋といきましょうか。

 

ということで、恒例☆桐矢連載17話である。

 


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「口のない友達」17 それぞれのブルーあるいはグレイ  桐矢 絹子

 


「かなり弱ってきていらっしゃいます。

 

そろそろ、覚悟をしておられたほうがよいかもしれません」

 

だめだよ。そんなのは、だめよ。このままじゃいけない。

 

・・・・・あたし、探さなきゃ・・・・。

 

 

「うちの両親に会ってくれないか」

 

「・・・・・」

 

「チカ?」

 

「ううん。うれしいの。うれしいんだけど、でも・・・・・」

 

「なにが心配?」心配ごとというと、ひとつしかありません。

 

「・・・・わたし、もともとは口がなかったから・・・。

 

あなたのご両親に気に入ってもらえるかどうか・・・」

 


すこし時間をおいて、彼はいいました。

 

「実は、両親にはもう話したんだ。チカに口がなかったこと」

 

一瞬にして不安が頭の中も心の中も覆いつくしてしまい、

 

さーっと血の気が引くのを感じました。

 

「そんな顔しないで。うちの親はわかってくれたよ。

 

だから、会ってもらいたいんだ」

 

「でも・・・」

 

「口がなかったのは今までのこと。

 

これからはあるんだ。だからなにも問題ないじゃないか」

 

わたしは思い切って、今まで気になっていたけど聞けなかったことを聞いてみました。

 

「わたしに口がないままだったら、河辺さんはわたしと付き合わなかった?」

 

「河辺さん」と呼ぶのはやめて、下の名前で呼んで、何度もそう言われたけど、

 

恥ずかしくてどうしてもそれはできないままです。

 

付き合って1年も経つのに、

 

わたしはずっと河辺さんのことを「河辺さん」と呼んでいました。

 


「チカのことは、口がないときからいいなと思ってた。

 

でも、正直に言うと、口がないままだったらやっぱり付き合うのはためらったと思う」

 

本音を言ってくれた彼に誠意を感じました。

 

でも、やっぱりその答えは哀しい。

 

できれば、うまく誤魔化して答えて欲しかった。

 

なんて、わがままでしょうか。

 

それに、口がない時からいいと思ってくれていたとしても、

 

口を手に入れてから付き合うまで1年空いている。

 

また口がなくならないかどうか様子をみていたのかしら。

 

などという考えも浮かんできてしまう自分がイヤになります。

 

「返事は待つよ。よく考えてみて欲しい」

 


こういう時です。

 

やはり自分はもともと口がある人とは違うのだと思い知らされるのは。

 

最初からわたしに口がありさえすれば、

 

こんなときはなんの心配もせずに、幸せな気分にどっぷりと浸って、

 

たとえば真剣に世界の平和だって願うことができるのに。

 


「あの、イワサキ チカさんですよね?」

 

「はい?」

 

アパートのドアの前でカギを探していると、女の子に声をかけられました。

 

どこかで会ったことがあるような気がするけど・・・・。

 

「お願いします。口を返してください。

 

このままじゃ、おばあちゃんが死んでしまう」

 

辺りがぐらり、と大きく揺れました。

 

ほらね。

 

わたしに世界の平和を願う余裕なんて、すこしも与えられていないのよ。  <続く>

 


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コメント
うわっ・・ 悲しすぎる。 切ない。
桐矢さんはどっちへ向かうのでしょうか?

  • はるめ
  • 2010/11/01 12:26 PM
これはまた大きなお芋ですね。顔より大きい。

口を取り返しに来ましたか。先が楽しみです。
あらあら、余裕ないのね。
続きはもう書き終わっているのか。それとも、今から書くのか??
大きなサツマイモ!うちの息子は天ぷらが好きですよ。
  • 金ちゃん
  • 2010/11/01 4:18 PM
チカさんと河辺さん、あれから1年経ったのですね
ついに結婚話までこぎつけたようですが、
すごく切ないですね

この物語のキーマンはおばあちゃん?!かな
続きが楽しみです

でっかいサツマイモですね〜スゴイ!
  • のりたま
  • 2010/11/02 10:06 AM
わぁ… なんだか切ない雰囲気で…

次回はまた泣かされるんでしょうか?

できればハッピーエンドで泣きたいなぁ。。。
はるめさん。続けてさんきゅ。小説は悲しく切ないときもあるのですぅ。読者さんを喜ばせたり悲しませたり。揺らすことこそ小説の醍醐味です。
  • shiozy
  • 2010/11/02 2:14 PM
辰あにい。こんにちは。取り返しに来た口は、果たしてどうなるのでしょうか? 一波乱二波乱あるかもです。お楽しみに。
  • shiozy
  • 2010/11/02 2:14 PM
金ちゃん。こんにちは。桐矢同様チカちゃんも世界平和を願う余裕がないようですよ。(笑) 桐矢は完結編に頭を悩ませているようです。
この巨大サツマイモは、ポテトフライにしたらとても美味しかったです。カルビーのポテトチップスなんて目じゃないくらい。
  • shiozy
  • 2010/11/02 2:15 PM
のりたまさん。こんにちは。早いものであれから一年も経ちました。ようやくチカちゃんと河辺さんが結ばれることになりましたが、これが一筋縄ではいかないようですよ。(笑)
この物語のキーマンはさて誰でしょう?
  • shiozy
  • 2010/11/02 2:15 PM
アクビさん。こんにちは。「できればハッピーエンドで泣きたいなぁ。。。」←その気持ちよくわかります。桐矢によくよくお願いしておきましょう。(笑)
  • shiozy
  • 2010/11/02 2:15 PM
こんばんは〜
大きなお芋ですから、やっぱり大きな口を開けて食べるのでしょうね(笑)
お弟子さんもお口の話題一つで引っ張りますよね、凄いな〜
お口はこれからどうなるのか、結末はいかに?

先ほどはご協力頂きまして、有難うございました
こちらには無事届きました
ニュースです!

SP細胞を使い新しい口を成長させる実験に成功しました。手術で口を作り上げる整形手術も開発されました。

、、、とか、なりませんね。元々は人間関係の問題で,口の問題ではないようですから。
  • クロス
  • 2010/11/03 9:48 PM
kanarinさん。こんにちは。お口の話は残り数回。どうなるかお楽しみに。
実名のメールをもらって一瞬誰だかわからなかったShiozyです。でもすぐにピンときましたよ。(笑)トラブル解決安心しました。
  • shiozy
  • 2010/11/04 10:24 AM
クロスさん。こんにちは。すごいお久しぶりじゃないですか。お変わりありませんか?

「ニュースです!」に、一瞬「ほんまかいな」と驚いたじゃないですか。「SP細胞を使い新しい口」←これはなんだか実現しそうだなああああ。
  • shiozy
  • 2010/11/04 10:25 AM
はるめ様、柿辰丸様、金ちゃん様、のりたま様、
アクビ様、kanarin様、クロス様

感想ありがとうございます!
口のない友達、後編でございます。
見守っていただけると嬉しいです。
  • 弟子3@桐矢
  • 2010/11/05 12:09 AM
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