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  • 2015.08.04 Tuesday

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    <文庫プレゼント>

    • 2015.08.04 Tuesday
    • 06:02
    おかげさまで<先着5名様>決定しました。
    開始1時間で完了。

    本日発売の文庫<先着5名様>プレゼント
    プレゼント本はこれね。
    『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』 丸山正樹著 文春文庫
    デフ・ヴォイス

    『デフ・ヴォイス』とはなんぞや?
    shiozyの読書感想文はこれ。
    -------------------
    一気読みである。
    デフ=ろう者と、その両親のもとに生まれた
    健聴の子=コーダの葛藤を通奏低音とし、
    殺人事件を絡ませながらろう者の世界を描き出す。
    ミステリーとしての面白さもあるのだが、
    やはりなんといっても、
    ろう者の世界を書き切った「凄み」に感動させられる。
    手話はろう者の言語であり、
    日本語対応の手話はいわば第二言語であること。
    つまり、ろう者は独自の言語を持ち、
    独自の文化を形成しているということ。
    毅然たるその姿が美しい。感動の書である。
    -------------------

    なんと、この中の一文が文庫帯の紹介文に採用されたのである。
    (たった一文だけど)
    デフ・ヴォイス

    読書メーターに書いた拙文が、著者丸山正樹氏の目に留まり、
    カバー推薦として蘇ったのだ。なんという僥倖。
    それを記念しての文庫プレゼント企画。
    感動の書のおすそ分けである。

    ご希望の方は、送付先(郵便番号、住所、氏名、電話番号)明記の上、
    下記メルアドまで。<先着5名様>
    外れた方は、自分で買って読むように。
    shiozy@3kan.net

    最後に余談だが、彼丸山正樹氏も妻の介護歴20数年である。
    わしよりもっと過酷な現状であるが、共に同志である。
     

    <お勧め読書038:一路>

    • 2015.06.24 Wednesday
    • 12:08




    『一路』上下  (中公文庫 浅田次郎)

    京都から東京まで徒歩で行くとしたら、あなたはどちらを選びますか?
    1、東海道 2、中仙道

    現代ならば、もちろん 1東海道だろう。

    しかし、江戸時代なら、2中仙道が正解だ。

    木曽谷、十曲峠、鳥居峠、塩尻峠、碓氷峠、

    名だたる山岳地帯を越えていく中山道。

    行くなら今でしょう。行くなら東海道でしょう。

    と思うのだが、正解は中山道である。


    東海道は53宿。中山道は69宿。

    旅程的にも東海道有利であるのに、中仙道を選ぶ。

    その理由は東海道の「川渡し」である。

    東海道にとって、川は最大の障害であったのだ。

    いったん「川止め」が起こると、いつ回復するかわからない。

    旅人は何日も足止めをくらう。

    乏しい旅費が底をつき路頭に迷う。

    そんな思いをするのなら、

    いっそ険しくても確実な中仙道、となるのである。


    長い前振りであったが、

    中仙道を参勤交代する物語が、この『一路』である。

    浅田次郎にしては「軽すぎない?」という語り口であるが、

    なかなかどうしてストーリーに吸い込まれるのである。

    初の行列差配役を勤める供頭・小野寺一路の活躍。

    うつけと呼ばれるお殿様の見事な変身。

    脇役をかためる武士や奴や馬までもが、それぞれのキャラを発揮する。

    理屈抜きに楽しめるエンタメ時代小説のお手本である。


    <shiozyのお勧め度☆☆☆☆>
    『一路』上下 単行本で税込み1,680円×2=3,360円。
    高いと思う人は、図書館にいくか、文庫を読むがいいぞ。
    「川止め」で待たされるのはイヤだと思うなら、中仙道を行くべし。

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    <お勧め読書037:涙垰―赤名・布野石見銀銅助郷公事>

    • 2015.06.19 Friday
    • 11:01




    『涙垰―赤名・布野石見銀銅助郷公事』  (菁文社 戸塚らばお)

    時代小説といえば、主人公は歴史上の英雄か、

    あるいは想像上の造形人物というのが通り相場だが、

    地方にも埋もれた傑物がいるのである。

    弱者であるがゆえに、歴史のなかに埋もれてしまい、

    光を当てられることはない。

    そんな人物に焦点を当てて、果たして小説になるのか。

    島根の小藩・広瀬藩の赤名宿二十一か村は、石見銀山の輸送荷役を担う。

    島根県赤名から広島県三次まで七里(約28キロ)とはいえ、

    そこに立ちはだかるのは名にし負う豪雪地帯。

    馬も通わぬ険路を馬280頭人足500名で銀銅を運ぶのである。

    この苦役に貧村は疲弊してしまう。

    武士という権力構造に、強訴・一揆という実力行使ではなく、

    公事(くじ:訴訟裁判)という一見穏便な手法をとった庄屋達がいた。

    せめて赤名宿から布野宿までの3.5里に半減できないかと、

    幕府に訴えるのである。

    ここには、赤名と布野という貧宿同士の対立があり、

    幕府という巨大な官僚機構が横たわる。

    十数年の歳月を費やしても何の解決ももたらさない虚しさに、

    ついには、銀銅を布野宿に置き去りにするという実力行使に及ぶのである。

    強訴でもなく一揆でもない、百姓の意地の発露である。

    若き庄屋・半平太は打ち首。

    悲劇のうちに幕は降りるのだが、その父親は夢見る。

    「峠を越えなくていい隧道(トンネル)を掘ろう」

    それが現在の赤名トンネルかどうかは定かではないが、

    そう思いたくなる歴史ロマンを予感させる。

    吉田掛合から三次までの高速道路が開通した。

    半平太の死から約200年後である。


    <shiozyのお勧め度☆☆☆☆>
    地方には、地方ならではの優れた作家がいる。
    埋もれた史実を拾い集め、それを小説にしてみせる。
    この戸塚らばおもその一人だろう。
    この「涙垰(なみだたお)」を読んでいる途中に、
    どこか「既視感」に見舞われた。
    蔵書を探ってみると、あった。
    既読の作家だった。
    私より二歳上の三次在住の作家。戸塚らばお。
    お会いしてみたいものだ。
    「涙垰―赤名・布野石見銀銅助郷公事」
    三次市の地方出版社・菁文社(せいぶんしゃ)刊
    戸塚らばおとこの出版社にも拍手を贈ろう。

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    <お勧め読書036:注文の多い注文書>

    • 2015.06.16 Tuesday
    • 12:03




    『注文の多い注文書』  (筑摩書房 小川 洋子,クラフトエヴィング商會)

    小川ワールドの新境地誕生か。

    クラフト・エヴィング商會とのコラボレーションは、

    さながらジャズの即興演奏に似て、

    両者の真剣勝負緊張感がたまらなくいい。

    小川洋子の投げた変化球を、

    クラフト・エヴィング商會が絵と文で打ち返す。

    そこに奇妙なお話の世界が広がり、

    読者を「大人の童話の世界」に誘うのである。

    構成・装丁・文体、どれをとっても一級の仕上がりである。


    <shiozyのお勧め度☆☆☆☆☆>
    「ないもの、あります」
    この世に存在しそうにないものの発注を受けて、
    それに答えを出していく発想力が素晴らしい。
    文章だけでなく、映像も秀逸。

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    <お勧め読書035:きみ去りしのち>

    • 2015.06.12 Friday
    • 11:48




    『きみ去りしのち』  (文春文庫 重松 清 )

    昨年の大晦日に「十字架」を読んで重たい気分で正月を迎えた。

    以来、しばらく遠ざかってしまっていた。

    この「きみ去りしのち」もやはり重たい。

    あとがきに「喪失感との折り合いのつけ方を探ってみたかった」

    とあるように、関根さんと娘明日香の喪失感を縦軸に、

    旅で出会った人びとのそれを横軸に、

    それぞれの「折り合いのつけ方」が語られていく。

    9章からなる長編であるが、

    それぞれの章が短編として独立している。

    重松は短編が素晴らしいという持論が証明された一冊だ。


    <shiozyのお勧め度☆☆☆☆>
    シゲマツは私淑する作家だが、
    テーマがだんだん重くなってきて、
    しばらく遠慮していたのだが、
    たまには真摯なテーマにも触れてみないとね。

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    <お勧め読書034:ロストケア>

    • 2015.06.08 Monday
    • 11:49




    『ロストケア』  (光文社 葉真中 顕)

    日本ミステリー大賞新人賞受賞作。

    葉真中顕(はまなか あき)のデビュー作である。

    寝たきり認知症の老人たちを43人も毒殺した

    介護職の男の「喪失という名の究極の介護」のお話である。

    介護する介護される双方の幸せのために殺人を犯すのだ。

    確信犯。

    妻の介護歴15年の小生にとって

    ストレートに受け入れられる「正義」ではないが、

    逆説的に世の中に警鐘を鳴らす意義がある。

    大胆に切り込んだ凄みのあるミステリーだ。


    <shiozyのお勧め度☆☆☆☆>
    『絶唱』に続いて読んだのだが、
    葉真中顕(はまなか あき)は、これからの注目株だな。

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    <お勧め読書033:わが家の問題>

    • 2015.06.03 Wednesday
    • 14:44




    『わが家の問題』  (集英社文庫 奥田英朗)

    どんな家庭にも「我が家の問題」がある。

    それは当事者にとって深刻な問題である。

    だがしかし、外から見ればどこにでもある問題なのだ。

    ここに書かれている問題は、

    家庭という狭い世界から配偶者を見たとき、

    一面的ではあるものの真実を捉えている。

    そして、その眼差しがとても温かだ。

    夫、妻、娘、それぞれの優しさが素晴らしい。

    ちょっとうるっときた自分がいる。

    好短編集だ。


    <shiozyのお勧め度☆☆☆☆>
    『わが家の問題』と対をなすものに『家日和』がある。
    奥田英朗の人を見る眼差しが温かい好著である。

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    <お勧め読書033:64(ロクヨン)>

    • 2015.05.29 Friday
    • 11:33




    『64(ロクヨン)』  (文藝春秋 横山秀夫)

    もう何年も新作と出会っていない。

    ひょっとして横山秀夫は筆を折ったのか、

    と思っていたら、待望の新作である。

    「64(ロクヨン)」なにやら思わせぶりなタイトルだが、

    「64(ロクヨン)とは・・・」と

    ネタ晴らしをしてしまったら営業妨害。

    横山節は健在であった。読むが良いぞ。


    <shiozyのお勧め度☆☆☆☆☆>
    昨日、久しぶりに本屋さんを覗いたら、
    この「64(ロクヨン)」が平積みされていた。
    やはり、硬派な横山秀夫は人気者らしい。

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    <お勧め読書032:一刀斎夢録>

    • 2015.05.26 Tuesday
    • 13:51

    時代小説は、何といっても、何と言わなくても、

    新選組の話が面白い。

    --------------------------------
    一刀斎夢録

    『一刀斎夢録』  (文春文庫  浅田次郎)

    刀を右腰に差し左手で抜く。

    そんな左利きの武士はいたのか?

    正解は、そんな武士はいるはずがないぞ、である。

    なぜなら、武士は左側通行。

    刀は左腰に差し互いの鞘が当たらないようにしていたのである。

    つまり、左利きで生まれても、右利きに直され、

    ケド左手も実は結構使えますよ。というのが真実だろう。

    しかし、小説や映画の世界では、左利き武士が登場する。

    新撰組三番隊隊長齋藤一(さいとうはじめ)と、

    丹下左膳、宮本武蔵の三人である。


    丹下左膳は右腕がなかったので、左手一本で刀を抜いた。

    しかし、刀は左腰に差していた。

    宮本武蔵は左利きを隠していた。

    右利きのように振る舞いながら、

    とっさの切り合いに左手で脇差を振るった。

    二刀流が生まれた所以である。

    この二人は、イレギュラーな左利きだ。


    正真正銘の左利きとして描かれるのは、齋藤一ただ一人。

    武士は客と対座したとき、礼儀として刀を自分の右横に置く。

    刀を抜く意志はありませんよ、という意思表示だ。

    ところが、齋藤一はこれを悪用して、

    刀を右に置いてそこから左手で居合抜きした。

    だまし討ちだから強いはずである。

    幕末から明治大正まで生き抜いた齋藤一の人斬り回顧録、

    それが「一刀斎夢録」だ。

    ちなみに、齋藤一を逆さに読むと一刀斎である。


    <shiozyのお勧め度☆☆☆☆>
    近藤、土方、沖田ほど有名ではないが、
    異色の左利き剣士ということで、
    齋藤一はユニークなキャラである。

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    <お勧め読書031:天地雷動>

    • 2015.05.22 Friday
    • 11:53

    時代小説歴史小説を読むときに、地図がついている本が好きである。

    地名や古戦場が出てきたときに、場所を確認出来てリアリティーが増すからである。

    --------------------------------




    『天地雷動』  (角川書店 伊東 潤)

    ふぅ、400頁程度の本を読破するのに三日も要してしまった。

    武田軍と織田・徳川・秀吉連合軍の長篠の戦へ至る過程は

    わくわくするドラマだったが、城や古戦場の地名がやたら出てきて、

    その一つひとつを巻頭の地図で確かめながら読んだのだ。

    進軍や敗走の過程をたどりつつ読むと、時間はかかったものの、

    当時のいくさのリアリティが増すのである。

    地図を掲載した角川書店さんは偉いのである。


    <shiozyのお勧め度☆☆☆☆>
    伊東 潤は硬派なところがいいね。

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